元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される
それが、レインが何を、どんな道を選んでも許してくれるのだというようで、胸があたたかくなる。
「レインは、そう言えば行ったことがなかったね。……行ってみようか」
「どこへ……?」
レインの質問に、ユリウスは微笑んだ。
「王家の墓へ」
――君の、父君と母君が眠る場所へ。
■■■
王家の墓は、離宮の、中庭を通り過ぎて森のようになった一角にあった。さらにその隅の、黄色い絨毯を敷き詰めたような場所に、先代女王と、その王配の墓石がある。
黄色い絨毯はよくよく見ればタンポポの花で、王の墓には似つかわしくない大衆的な花は、しかし、よく手入れされているのか、他の花に紛れることもなく咲き誇っていた。
「レインは、そう言えば行ったことがなかったね。……行ってみようか」
「どこへ……?」
レインの質問に、ユリウスは微笑んだ。
「王家の墓へ」
――君の、父君と母君が眠る場所へ。
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王家の墓は、離宮の、中庭を通り過ぎて森のようになった一角にあった。さらにその隅の、黄色い絨毯を敷き詰めたような場所に、先代女王と、その王配の墓石がある。
黄色い絨毯はよくよく見ればタンポポの花で、王の墓には似つかわしくない大衆的な花は、しかし、よく手入れされているのか、他の花に紛れることもなく咲き誇っていた。