元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される
「そうだ。レイン、君は前に進んでいる。だから絶対に、大丈夫だ。君が選んだことを必ず私がサポートする。私はそのための知識も技量も身に着けて来たから」
「……ふふ、ユリウス様は、いつも私のことばかりね」
「そりゃあね」

 墓石に向き直り、持ってきた花を供える。
 祈りの形に手を組んで、その眠りの安寧を願った。

 女王になるという未来を近くに感じる。でも、きっとそれが、レインが向いている「前」なのだと思った。

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