元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される

 ユリウス。彼の、琥珀色の目にもう一度映りたい。優しく抱きしめられたい。
 そのためなら、きっとレインはなんだってできる。

 馬の蹄の音と、車輪のガタつく音が夜の空に響く。

 夜明けはまだずっと遠く。レインの陽光は、今、ここにありはしなかった。

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