元奴隷の悪役令嬢は完璧お兄様に溺愛される

「君は、これから僕の妹になるんだ」
「……いもうと?」
「そう、君は、レイン・アンダーサン。アンダーサン家の令嬢……アンダーサン家の愛される姫君になって、幸せに暮らすんだよ」
「ふふ、おとぎ話みたい」

 レインは知らず、唇に笑みを浮かべていた。それは、レインがここ数年間、まったく覚えなかった感情だった。

「ほんとうに、そうなら、いいな……」

 レインの意識がゆっくりと落ちていく。こんな幸せなことはきっと、世界を探しても見つからないわ、と思いながら。
 レインの言葉に、ユリウスの目がすっと細められ輝く。

「……レイン。君をもう二度と失わない。……何からも守るよ」

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