誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー

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「ああ、午後から片付けようと思っていたのに、家の前まで片付けてくれたの？」

「あら、凄くたくさん集めたのね、ありがとうね。やっぱり優しいわね」


近所の人からそんな声を掛けられ、少女はにこりと微笑み返しました。


「皆様は、お仕事や子育てがあるでしょう。ついでなので大丈夫です。任せてください」


優しく微笑むその表情は、きっと女神様のように映っていることでしょう。


結局、王子様の御一行が通った、町のいたるところから掻き集めた紙屑。

大荷物になってしまったそれを捨てようと、少女は裏道へと入っていきます。


昼間から人気のない一本の裏道で、少女は突然後ろから声を掛けられました。