誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー

Real＆Story８

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一緒に帰った日をきっかけに、共に過ごす時間も増え、

気付けば、皇輝に対する警戒心が解けてしまった私。


人がいてもいなくても変わらない、真っ直ぐな彼の姿に、あれだけ否定的に思っていた気持ちも、変わり始めている自分がいた。


「ねね、このドラマ見てる！？」

「あ、これ、私の好きな小説が原作のやつ。ちゃんと毎週見てるよ」


以前、予告を見たドラマがついに始まり、

予想通り話題になっているようで、私は小さく心を躍らせる。


「やっぱ見てるよね！すっごい王子かっこ良すぎない？

ほら、今週のこのシーンとか私ほんっとキュンキュンしちゃった！」

「あー、ここいいよねー」


差し出されたスマートフォンでドラマのワンシーンを眺めながら

私は先日の、皇輝の行動を思い返していた。


人気俳優が演じる王子様よりも、不思議と皇輝の方が本物の王子様みたいだった。


演じているのが何となく伝わってしまうドラマとは違って、

本当に存在する王子なんだって感じてしまうような自然な所作に、すっごくドキドキしてしまったから。