誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー
「待って、待って、妃花!!」
直ぐ追いかけてきた皇輝に、私は階段の踊り場で足を止めた。
「妃花、もしかして…」
「言わないで!!」
自覚してしまった自分の気持ち。
だけど恥ずかしくて信じたくなくて、私は声を荒げた。
皇輝は、言葉を止めて、静かに階段を近くまで上がってきた。
下から見上げられて、うつ向いていても顔をのぞかれてしまう。
「やきもち、やいてくれた?」
言われたくなかったのに、そう聞かれてしまった私は顔を真っ赤に染めた。
「…っ、ち、ちが…」
嘘だと丸わかりの意味のない否定に、皇輝はすーっと小さく息を吐いた。
ため息にも聞こえるその呼吸に、私は、少し泣きそうになる。
「…はあ、どうしよう、抱きしめたい」
「えっ」
想定外の言葉に驚いているうちに、私の体はふわっと包まれた。
男の子とは思えない、爽やかな石鹸の香りに、私は目を見開く。
「ごめん。もう二度としない。妃花が嫌がること、絶対しないから。」
驚きと共に、ゆっくりと安心感が沸き上がってくる。
それと同時にスーッと消えていくさっきまでの不可解な嫌な気持ちに、
私は諦めたように、彼の背中に腕を回した。
ああ、最悪だ。私、人気者のこの人を好きになってしまったんだ。
絶対に似合いっこない、物語だったら身分違いの恋をしてしまったんだ。
直ぐ追いかけてきた皇輝に、私は階段の踊り場で足を止めた。
「妃花、もしかして…」
「言わないで!!」
自覚してしまった自分の気持ち。
だけど恥ずかしくて信じたくなくて、私は声を荒げた。
皇輝は、言葉を止めて、静かに階段を近くまで上がってきた。
下から見上げられて、うつ向いていても顔をのぞかれてしまう。
「やきもち、やいてくれた?」
言われたくなかったのに、そう聞かれてしまった私は顔を真っ赤に染めた。
「…っ、ち、ちが…」
嘘だと丸わかりの意味のない否定に、皇輝はすーっと小さく息を吐いた。
ため息にも聞こえるその呼吸に、私は、少し泣きそうになる。
「…はあ、どうしよう、抱きしめたい」
「えっ」
想定外の言葉に驚いているうちに、私の体はふわっと包まれた。
男の子とは思えない、爽やかな石鹸の香りに、私は目を見開く。
「ごめん。もう二度としない。妃花が嫌がること、絶対しないから。」
驚きと共に、ゆっくりと安心感が沸き上がってくる。
それと同時にスーッと消えていくさっきまでの不可解な嫌な気持ちに、
私は諦めたように、彼の背中に腕を回した。
ああ、最悪だ。私、人気者のこの人を好きになってしまったんだ。
絶対に似合いっこない、物語だったら身分違いの恋をしてしまったんだ。