誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー

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「良いお嬢さんですねえ」

「王子様が突然連れていらっしゃったとお伺いして、どのような方かと思っていたのですが」

「恐れ多いです…。」


少女が住む一軒家の付近にある、王族専用の農場で、

少女と使用人達の、穏やかな会話が聞こえてきました。


「あ、ここの草刈りもやっておきますね」

「あら、本当だ、こんなに育って…。」

「良く気付くお嬢さんだわあ」


そんな談笑をする仲になったのは、つい最近の事。


王子様が忙しい時期で、ひとりで周りを散歩していた少女が、

農場を見つけて、お手伝いを申し出たのです。


始めは、「王子様のご来客」として、断られていたお手伝いも、

少女の人柄からか自然と受け入れられ、今では打ち解けて一緒に作業をしています。


「王子様はね、昔っからわんぱくでございました。」

「そうですよ、この農場にもよく顔をお出しになって、」


使用人さん達の話しからは、王子様の自由奔放な子供時代も伺えて

少女は楽しい毎日を過ごしていました。