誰も知らないもうひとつのシンデレラストーリー

Real＆Story２

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「チャイム鳴ったぞー！座れ！」


勢いよく扉が開かれ、担任の教師が入って来た。


高校２年生になって半年程。

冬服と夏服の混じるような季節では、担任の登場は既に慣れ親しんだもので、

生徒たちは焦ることもなく、マイペースに席に着いた。


「先生！転校生紹介してよ！」

「早く早く！」


友達のように騒ぐクラスの中心の元気な生徒達に、先生は呆れ顔を見せる。


「なんでそんなに情報が速いんだよお前らは」


転校生の存在を隠すつもりは毛頭ないようで、先生は廊下に目を向けた。


「お待ちかねらしいから、もう入ってこい」


その言葉を合図に、ドアは勢いよく開かれる。

溜めもなく、あっさり入って来た転校生の姿に、教室は静けさに包まれた。