【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

そう返すと、藍くんは余裕そうに笑って――耳元に口を寄せたかと思うと、ふっと息を吹きかけてきた。


「愛してる」


耳元で囁かれ、反射的に体が跳ね上がっちゃう。


「な……っ、そんなの反則だよっ、藍くん」

「反則だってルールは聞いてないけど?」


そう言われてしまったら、なにも言い返せない。


女遊びの激しい藍くんのことだから、きっとこのゲームも何度もやっているだろうし、"愛してる"と囁くことはなんてことないんだろう。

そう思うと、なぜか心のどこかが虚しさを覚えた。


「んぅ……愛してる……」


やっとのことで言い返せたと思ったのに。

藍くんの手がわたしの服の裾から入り込んできたかと思うと、腰のラインをなぞるように触れてきた。

そして優しくそっと、けれどもてあそぶように触れながら、


「愛してる」
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