【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
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さかのぼること数時間前。
「わぁ! ゆるるん、可愛い~!」
慣れない浴衣姿で瑛麻ちゃんの部屋に戻ると、先に浴衣に着替えていた瑛麻ちゃんがそう褒めてくれた。
今日は花火大会。
わたしと瑛麻ちゃん、それから流星くんの3人で遊びに行く予定をたてていた。
せっかくなら浴衣姿で花火大会を満喫しちゃおうという話になり、流星くんには内緒で、瑛麻ちゃんと先にふたりで集合して準備をしているんだ。
浴衣は、瑛麻ちゃんのお母さんが準備してくれた。
着付け教室に通っているという瑛麻ちゃんのお母さんに着付けまでしてもらって、お世話になりっぱなし。
「色白の由瑠ちゃんに似合うと思って」と準備してもらったのは、白色の生地にピンクと薄紫の花がたくさんあしらわれている、とてもかわいい浴衣だ。
「瑛麻ちゃんこそ、とっても可愛い」
瑛麻ちゃんはピンク基調の浴衣だ。
裾を泳ぐ赤い金魚がアクセントになっていて、瑛麻ちゃんにとてもよく似合っている。