【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

「へへ、ありがと。そうだ、私がヘアアレンジしてあげよっか!」


そう言って、ベッドに腰掛けていた瑛麻ちゃんが立ち上がる。


「え、いいの?」

「もちろん! せっかくだし、とびきりおしゃれしちゃお!」


そうしてわたしは、瑛麻ちゃんの魔法の手によって器用にヘアセットを施されていく。

瑛麻ちゃんはテンションがあがったようで、「ついでにメイクもしちゃお~っと」と、わたしの顔を大小様々なブラシが彩っていった。


「よし! できた!」


数分後、手持ち鏡の中には、ヘアセットとメイクを終えた女の子がいた。


編み込みにした髪を、頭の後ろで緩くまとめているみたい。

ヘアアレンジをしてもらっただけで、おしゃれに見えるから不思議。


頬にはほんのりチークが乗り、唇はうるうるな艶で覆われている。

普段は自分ではほとんどメイクをしないから、鏡の中にいる自分がとても新鮮に映る。


「瑛麻ちゃん、すごい……」

「えっへへ。ゆるるん、元がいいからやりがいがある!」
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