【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
そして唇の端に着いてしまっていたバターをぺろりと舐めながら、屋台を眺めていた時。
わたしはあるものを見つけ、ふと足を止めていた。
そこはアクセサリーや小物を取り扱う屋台で、その中に白い鳥のマスコットキーホルダーを見つけた。
商品説明のPOPには、『幸せを運ぶキーホルダーです!』と書かれている。
ころんとしたフォルムの鳥のマスコットはとても可愛らしく、お守り代わりに持っているのもいいなと思えた。
「このキーホルダー、ひとつください」
なぜか強く惹かれたわたしは、思わず会計をしていた。
すると、その時。
「へー、なにそれ。幸運を運ぶキーホルダー?」
そんな声と共に、背後からわたしの肩に重みが乗る。
わたしの肩に、だれかが顎を乗せてきたのだ。
そしてこの声の主を、わたしは振り返らなくてもわかる。
「藍くん!?」