【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
わたしはベッドに座ってスマホをいじっている藍くんにそろそろと近づく。
「藍くん、大変申し訳ないのですが……」
「ん?」
「ネックレスを外してもらえないかな……」
「は?」
藍くんにくるりと背を向けると、長い髪を片側に除け、ネックレスの金具の部分を見せる。
するとため息を吐きながら、背後で藍くんが立ち上がった。
「……あのさ。誘ってんの? それ」
「さそう……?」
ちんぷんかんぷんでクエスチョンマークを飛ばしたその時。
「襲わないように人が我慢してたのに煽んな」
背後から苛ただしげな囁きが聞こえたかと思うと、突然うなじに柔らかい感触と熱が落ちてきた。
それが唇だとわかるのには、時間はかからなくて。
「っ、んっ……」
甘い刺激に、もれてしまう声。