【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
中学生の時、保健の授業で、保健医の先生が黒板を使いわかりやすく説明してくれた。
人口の約20%、その人々だけが16歳を迎えると、フェロモンを覚醒させ、運命の番を呼び寄せるようになる。
そうした人々のことを"特別体質"という。
運命の番とは、一般的な恋愛や結婚よりもっと固く強いもので結ばれる。
そうして本能に導かれ出会った運命の番と一生結ばれるのだ。
番に出会うと、フェロモンが発生し、心よりも先に身体が強く反応して発情する。
まるで熱に浮かされたように理性を失い、本能のままに身体が相手を求めてしまう。
そういう状態のことを発情期と呼ぶらしい。
一度発情したら、身体の欲を満たすことでフェロモンは抑えることができる。
その時に発せられるフェロモンは、ひどく甘いものでまわりにいる男性を誘惑する強い力があると言う。
そしてこれは大事なことだと先生が強調するために赤いチョークで書いていたけれど、相手の首筋を噛むことで番は初めて成立する。
番が成立すると、フェロモンは出なくなるらしい。