【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
すると藍くんの長い指が伸びてきて、ほつれて顔のサイドに落ちた髪が、すくいあげるように耳にかけられる。
「でもそう思うなら、いいよ、由瑠の好きにして」
間接照明に照らされた藍くんの笑みは、綺麗で色っぽくて妖しくて。
そ、そんなこと言われても……。
「あ……あぅ……」
「ほら」
藍くんはわたしの手を掴み、自分の浴衣の中に滑り込ませる。
わたしの右手が、藍くんの素肌に触れてしまう。