【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「あ、あの……! 理由だけでも教えてくれませんか……!?」
「緊急事態なんだよ。とにもかくにもキミの手が必要なの!」
理由になっているような、なっていないような返事に戸惑いつつも、その声音からは逼迫感が感じられて、わたしは腹を括ることにした。
初対面だし、ただの直感でしかないけれど、わたしに危害を与えるような人ではない気がしたから。
「っていうか、小鳥ちゃんってわたしのことですか!?」
「いえーす」
「こ、小鳥……」
不思議な密さんワールドに呑まれて、わたしはもうそれ以上深く考えることはやめた。