【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

そういえばわたしは先月16歳になったばかり。


「わたしが"特別体質"……?」


ショックで目の前の世界を闇が覆っていく。

わたしからお母さんを奪った忌々しい体質が、わたしにも遺伝しているなんて。


熱に浮かされた頭で混乱するわたしに、藍くんが近づいてくる。


「考えるのは先だ。今は早く発情を抑えないと」

「え……」


藍くんがわたしの腕を掴む。


直後、崩れる身体のバランス。

背中に触れるひやりとした感覚。

気づいた時には、畳の上に組み敷かれていた。


「なぁ、身体しんどいだろ」


わたしは泣きそうになりながら、首を何度も縦に振る。


身体が発火したように熱くて、頭がくらくらする。

呼吸も浅くなってきた。

そしてなにより身体じゅうが、触れてほしいと叫んでいるみたい。
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