【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
その後藍くんはおかゆを完食してくれた。
「体はどう?」
「ましになった」
「ほんと?」
熱を確かめるように、藍くんの額に自分の額を重ねる。
すると、藍くんがはっとしたように目を見開いた。
「なに、して……」
「んー、まだ熱はあるみたい……。そうだ、なにかしてほしいこととかある? わたし、なんでもやるよ!」
意気込みを示すように胸を叩いてみせると、うつろな目に試すような色が滲む。
「ほんとに? なんでもしてくれんの?」
その熱のこもった声には危険な香りがして、思わず尻込みする。
「な、なんでも……」
すると不意に、熱い手に腕を掴まれた。
「じゃ、ずっとここにいて」
「え?」
「俺が寝るまで、ここにいて」