【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
……本当に、そんなことだけでいいのかな。
弱っている藍くんに、なにかしてあげられることはないのかな。
わからなくて、でもわかりたくて、わたしは藍くんの上体を抱き寄せ、そして自分の膝の上に頭を乗せる。
「なにこれ?」
「膝枕だよ」
「うん、それはわかってんだけど」
わたしの行動が理解できないというような藍くんに、わたしは笑ってみせた。
「ほら、小さい頃とか熱を出すとお母さんにこうされるでしょ?」
ぽんぽんと、あやしつけるように優しく頭を撫でる。