【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
すると藍くんが今度は首元に顔を埋めてきた。
彼の熱い吐息が首元を撫で、ぞく、とした感覚が背中を走った直後、ぴりっと電流が走ったような疼きが首筋を襲った。
まるで毒針に刺されたような痛みに、「ひゃ……」と思わず変な声をあげてしまう。
そしてまた襲いくるであろう甘い刺激を予感し、ぎゅっと目をつむったその時。
不意に藍くんがわたしの横に倒れ込み、そして直後、微かな寝息が聞こえてきた。
「へ……?」
藍くんの顔を覗き込めば、まぶたは閉じられている。
もしかして、寝た……?
間一髪のところで助かった。
だってあのままだったら、きっとわたしは流されていたはずだから。