【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

すると藍くんが今度は首元に顔を埋めてきた。

彼の熱い吐息が首元を撫で、ぞく、とした感覚が背中を走った直後、ぴりっと電流が走ったような疼きが首筋を襲った。


まるで毒針に刺されたような痛みに、「ひゃ……」と思わず変な声をあげてしまう。

そしてまた襲いくるであろう甘い刺激を予感し、ぎゅっと目をつむったその時。


不意に藍くんがわたしの横に倒れ込み、そして直後、微かな寝息が聞こえてきた。


「へ……?」


藍くんの顔を覗き込めば、まぶたは閉じられている。


もしかして、寝た……?


間一髪のところで助かった。

だってあのままだったら、きっとわたしは流されていたはずだから。
< 151 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop