【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「えへへ……。じゃあ一緒に食べよっか、お弁当。それからお礼も、ありがたく受け取らせてもらいます」
神崎くんの善意を遠慮するのは無粋だと思った。
すると、神崎くんが嬉しそうににっこり微笑む。
「じゃあ、約束ね」
小指を差し出してくる神崎くん。
指切りをするなんて、いつ以来だろう。
もしかしたら、小さな頃にお母さんとして以来かもしれない。
わたしは差し出された小指に、そっと自分の小指を絡めた。
「うん、約束」
いつか、わたしを孤独から救い出してくれたあの日のお礼ができますように。