【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
昼休み、わたしと神崎くんは校舎裏の秘密基地にいた。
先日神崎くんが言ったわたしへのお礼とは、おいしいものを奢るというものだった。
なにをご馳走するかは秘密と言って神崎くんが持ってきてくれたのが、この巨大ショートケーキだったというわけだ。
ショートケーキといえばホールのものしか知らなかったわたしは、長方形のパックに詰まったこのショートケーキを見た時はその規格外さに度肝を抜かれた。
いつかお腹いっぱいになるまでケーキを食べるのが、ずっと密かな夢だった。
その夢が、まさか叶う日が来るなんて。
しかも推しと一緒に。