【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない




どのくらい眠っていたのだろう。


突然意識のチャンネルが合って目を開けると、白い天井が映り、続いてひょっこりと見慣れた顔が覗き込んできた。


「あ! 藍! 起きた、よかった……!」

「密……?」

「藍、体育の途中で倒れちゃったんだよ? まじでオレ、驚いたんだから」

「悪い……」


言われて、靄のかかった記憶を思い出す。

バスケをしている途中で突然激しい頭痛と吐き気に襲われ、意識を失ったのだ。


肘をベッドに突いて上体を起こす。


ちらりと壁掛けの時計を確認すれば、今は5時間目の授業中。

体育の時間は4時間目だったから、1時間とちょっと、眠っていたことになる。
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