【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

すると密は、右手を差し出してきた。


「これ、由瑠ちゃんから藍に。渡してくれって頼まれたんだ」


その手に乗るのは、白い鳥のキーホルダーだった。

それは、花火大会で由瑠が買っていた"幸運を運ぶキーホルダー"だった。


「これはオレの勘だけど、由瑠ちゃんはもう藍に会う気はないんだと思う……」

「は……?」


自分のことは置いておいて、俺に幸せになれって?


――なんだよ、それ。



< 207 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop