【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
藍くんと運命の番
ごくごくと、2杯目のお茶を飲み切ってしまった。
緊張のせいでひどく喉が渇く。
空っぽになったコップを、テーブルの上に置いた。
わたしはこれからのことで路頭に迷っていた。
今のアパートにいたら、わたしはまたフェロモンで彼を呼んでしまう。
そうしたら藍くんのことだから、わたしのことを見捨てることができずに、また助けてくれるだろう。
それに、近くにいたら、藍くんへの気持ちをきっと抑え込むことができない。
だからあのアパートを出ることにしたのだ。
けれど違う住まいを探そうにも、そんな大金はない。
散々悩んだ末の苦渋の決断だった。
それはおばさんの家を頼ること。
おばさんの家に迷惑をかけるわけにはいかないから、もっと強い薬を処方してもらうしかない。
身体に悪いとか、そんなことはもう言ってられない。