【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

藍くんがくれた言葉が自分の心に溶けた瞬間、唐突に涙腺が音もなく決壊した。


「ふ……ぅう……」


ぽろぽろと熱い涙がこぼれていく。


もうどうしようもないほど好きだ。この人のことが。


「あげる。全部全部、余すことなく貴方にあげる」


泣きじゃくりながらも、こぼれる涙を手首で何度も拭い、涙の狭間で答えれば。


「……んっ」


甘いキスがわたしの唇を塞いだ。
< 234 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop