【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
深く触れ合い、そうして名残惜しそうに唇が離れる。
「じゃあ、噛むぞ」
「うん」
上体を起こしたわたしは、そして藍くんに背を向け、髪を片側に寄せてうなじを露わにする。
藍くんはわたしの首筋にそっとキスをすると、そっと、けれど深くたしかに歯をたてた。
「んっ……」
甘い痺れが身体中を駆け抜けていく。
そしてそれと同時に、身体中を支配していた発情が治まっていくのがわかる。
ああ、これでわたし、藍くんと番になれたんだ……。
"特別体質"であることをうらんだ。
一生幸せになんかなれないと思ってた。
でもこうして藍くんと番になれて、今世界で一番幸せだ……。