【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
藍くんは甘すぎ注意
「ほら、おねだりの仕方は教えただろ」
「……あ、藍くん……」
他に人がいない談話室。
顔が赤いのを自覚しながらも藍くんを見つめれば、ソファーに腰掛けわたしを膝の上に乗せた藍くんは目を細めて意地悪く笑んだ。
「いい子」
藍くんの手が伸びてきて、わたしの頬にそっとあてがわれる。
途端に期待からか恥ずかしさからか心拍数が速まっていき、きゅっと結んだ唇に、下から掬い上げるように唇を押し当てられた。
――まるで恋人のように甘い時間。
けれど本物の恋人ではない。
間違った関係だとはわかっているけれど、発情しやすい身体の熱を鎮めるには、この手に縋るしかないのだ。