【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
この男の名を、千茅藍と言う。
同じ高校に通う、1学年上の3年生だ。
モデルと見紛う人並外れた端正なルックスと、どこで身につけたのかあるいは天性のものか人たらしの才で来るもの拒まずの遊び人。
よく言えば女子限定の博愛主義者。
歩くフェロモンなんて言われていたりもするらしい。
おまけに噂によると秀才で成績もぶっちぎりのトップ。
要するに中身以外は完璧なのだ。中身以外は。
女癖が悪いことに加え、他校の男子と喧嘩もするわ夜遊びもするわで、できることなら関わりたくないクズ男子だ。
けれどそんな藍くんは、お隣さんになって以来なにかとわたしに構ってくる。
いつも子ども扱いをしてきて、きっと手頃なおもちゃくらいにしか思われていないけど。