【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
固まったままでいるわたしに、女の人が振り返ってくすりと笑う。
「あら、ごめんなさいね。お子様には朝から刺激が強かったかしら」
な、ななっ……!
そっちが勝手にわたしに見せつけてきておいて、お子様扱いなんて!
「ど、どうぞご勝手に……!」
羞恥と怒りで真っ赤になった顔で、わたしは逃げるように走り出す。
せっかく気分を上げて出発しようとしたのに、いきなり出鼻をくじかれてしまった。
お隣さんだからって、どうしてわたしが朝からあんな生々しい光景を目撃しなきゃいけないの!
「あんなクズ男のどこがいいんだか……!」
ずんずんと歩きながら、ぷんすか空に向かって起こった時。
「クズ男って俺のこと?」