【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「なんでそんなに顔赤くしてんの。俺に触れられただけで発情しちゃった?」
全部わかっているくせに、藍くんは愉しげにわたしをもてあそぶ。
そう、これは発情の合図だ。
ああ、抗いたいのに抗えない。
前髪の隙間から覗くまっすぐな瞳で射貫かれたら、わたしはもう……。
囁くように問われ、わたしは震える口を開く。
「あ……ぅ、ちがう……。でも、あの……藍くんの長い指で触れてほしいって、思って、た……」
ああ、こんなことを考えるなんて、わたしはどうなってしまったんだろう……。
あの藍くんにだっていよいよ引かれてしまうかもしれない。
それなのに、優しくわたしに触れてくれる藍くんの指が恋しくて、身体の奥がうずいてしかたないの……。