【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
突然背後から聞こえてきた声に、わたしは「ひゃ!」と驚いて立ち止まった。
振り返れば、いつから追ってきたのか藍くんがそこに立っている。
「あ、藍くん……っ?」
まずい。悪口を聞かれてちゃった。
わたしは慌てて思考を巡らせ、言い訳を考えようとする。
「あ、えっと、クズ男っていうのは、その」
けれど藍くんの視線は、なぜかスカートに向けられている。
「スカート、また短くしただろ」
「えっ、あ、そうかな……?」
そういえば、この前も藍くんにスカートの丈が短すぎるって注意されたんだった。
でもそれを言うなら、藍くんはわたしなんかよりもっとスカートを短くした女子たちと、いっつも遊んでいる。
どうしてわたしだけがだめなのかわからない。