The previous night of the world revolution~F.D.~
そして、誰より、何より忘れてはいけないのが。

「ルレイア…」

「…ルルシー…」

俺は、愛しい大切な相棒…ルルシーの顔を見つめた。

…今ここにいる『青薔薇連合会』メンバーの中で、誰よりも長い付き合いになりましたね。

俺がまだ…光の世界にいた頃からの付き合いですから。

思えば、随分遠いところまでやって来たものだ。

「…最初にあなたに会った時、まさかここまでの付き合いになるとは思ってませんでした」

「…そうだな。俺もだよ」

今でも、昨日のことのように覚えてますよ。

あの地獄の日々の中で、まるで俺を助ける為に、俺の目の前に現れたあなたを。

あの時から俺の人生は変わった。

あの頃はまだ、あなたのルルシーという名前を知らなかった。

ルキハと名乗っていたあなたに救われ、闇の中に居場所を見つけ、俺はルレイア・ティシェリーになった。

それからは、誰の目も憚ることなくあなたをルルシーと呼び、光栄なことに、あなたの一番近いところで、共に生きてきた。

そして今日という人生の節目に、あなたは今も俺の目の前にいる。

…これからもずっと、そうであることを心から祈っていますよ。

「ありがとうございます、ルルシー…。あなたと出会えて、俺は本当に幸せです…」

「…そうか。…俺もだ」

俺は、ぎゅっとルルシーの手を握り締めた。

今日という結婚式の日にあなたが隣にいてくれて、俺は本当にうれし、

「…なぁ、ルレイア」

「はい、何ですか?」

「…この茶番、いつまで続けるつもりなんだ?」

「…」

…もうちょっと付き合ってくださいよ。

今良いところだったじゃないですか。ねぇ?

「…お前らも。何ルレイアの茶番に乗せられてんだ」

ルルシーは、ジトッ、とシュノさん達を睨んだ。

「ルリシヤやルーチェスなんて、手作りのプレゼントまで用意して…」

「ルレイア先輩の結婚式と聞いたら、何もしない訳にはいかないだろう?」

「そうですよ。この日の為に『猿でも分かる!初めての刺繍』っていう本を読み込んで、刺繍を練習したんですから」

「…猿に刺繍は出来んだろ…」

まぁまぁ、ルルシー。

良いじゃないですか。俺は嬉しかったですよ?皆さんに祝福されて。

「お前らなんて…意味の分からんプレゼントまで…」

更にルルシーは、華弦さんとルヴィアさんをジトッと睨む。

「真っ黒のノートなんて、どうやって使うんだよ…」

格好良いから良いじゃないですか。

色付きの蛍光ペンで書けますよ。

「それに…その薄気味悪い骨人形も…」

「嫁の手作りなんです」

ルヴィアさん、謎のドヤ顔。

「フューニャ、これを作るのは久し振りだって、嬉しそうに彫刻刀で骨を削ってて…。可愛かったなぁ…」

「そ、そうか…」

あまりにもルヴィアさんがウキウキと語っているから、さすがのルルシーも引き下がるしかなかった。

…嬉々として骨を削る嫁を見て、「不気味」より先に「可愛い」という感想が出てくる辺り、ルヴィアさんも相当来てますね。

今に始まったことじゃありませんが。
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