The previous night of the world revolution~F.D.~
翌日。

箱庭帝国三日目。

今日も、専属ガイドのルアリスがやって来た。

よし、よく来た。

すっぽかすことなく来たな。

で、今日は何処に連れてってくれるんだ?

「ルアリスさん。今日はどちらに行くんですの?」

マリーフィアが尋ねると、ルアリスは、

「今日は特別に、今建設中でプレオープンしている観光施設にお連れします」

とのこと。

ほう?

通常ならまだ入れない施設でも、「観光大使」のルアリスがいれば話は変わる。

ルアリスのコネのお陰で、まだ一般公開されていない施設を観光させてもらえるそうだ。

「成程。それは貴重な機会ですね」

ルアリスなりに、色々考えたんでしょうね。

俺とマリーフィアを、何処に案内するべきか。

気が利くじゃないか。童貞だった癖に。

「楽しみですね、マリーフィアさん」

「えぇ。そうですわね…。…でも」

…でも?

「今度は…また遠くまで歩くんですの?昨日みたいに、田舎に連れて行かれたり…」

マリーフィアは不安そうに尋ねた。

田舎って。失礼な奴だな。

秘境の里なんだから当然だろ。

しかし、ルアリスは気を悪くすることなく、笑顔で答えた。

「大丈夫ですよ。今日行く施設は、帝都にある施設ですから」

「あ、そうなんですのね…。じゃあ、安心ですわね」

「さぁ、それじゃあ行きましょうか。タクシーを待たせてあります」

ルアリスの案内で、俺とマリーフィアはタクシーに乗り込み。

プレオープン中だという、ルアリスおすすめの観光スポットに向かった。

果たして、何処に連れて行かれるんだろうな?
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