The previous night of the world revolution~F.D.~
建設中の革命記念資料館を訪ねた翌日以降も、俺とマリーフィアはルアリスのガイドのもと、箱庭帝国旅行を満喫した。

俺も箱庭帝国には何回も来たことありますけど、ここまで観光メインで楽しんだことはなかったので。

なかなか面白い、興味深い体験でしたよ。

何より、あの童貞だったルアリスが。

革命後短期間の間に、ここまで国内を整備し、立派に観光国家として再建していることを間近に見れて、それが一番満足でしたね。

こいつ、俺の弟子なんですよ。俺が育てたんで。はい。

そして、箱庭帝国旅行の最終日。

俺とマリーフィアは、ルティス帝国で帰りを待っている人々の為にお土産を買うことにした。

…の、だが。





「えーと…。これはアシュトーリアさんに。これはアイズに、こっちはアリューシャに。これはシュノさんに…」

俺は『青薔薇連合会』の仲間達の為に、お土産を選んでいた。

アシュトーリアさんには、実際に箱庭帝国の海岸で取れたという貝殻で作ったイヤリングを。

アイズには、箱庭帝国で取れた天然香料だけで作られたというアロマオイルを。

アリューシャには、素朴な甘さが売りの、この間俺もレストランのデザートで食べた、例のお団子を。

シュノさんには、箱庭帝国の民族衣装風のワンピースを購入した。

それから…。

「これはルリシヤに、こっちはルーチェスに…。それから、ルヴィアさん嫁と華弦にも…」

ルリシヤには、本場箱庭帝国の、例のおどろおどろしいお面を。

ルーチェスには、家内安全の五寸釘藁人形を。

ルヴィアさん嫁には、秘境の里で実際に使われていたという占いグッズを。

華弦には、妹であるルヴィアさん嫁とお揃いの、色違いのネックレスを。

それぞれ、カゴに放り込んだ。

それから、何より大切なのは…。

「ルルシーにはこれを…にゅふふ…」

俺がいない間に、ルルシーが他の女や男に走らないように。

魔除けの人形浄流符を…。

いやぁ、お買物が捗りますね。

きっと、皆喜んでくれるはずですよ。
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