The previous night of the world revolution~F.D.~
俺は、アイズが調べてくれたカミーリア家の調査書を思い出した。

…そういや、マリーフィアには姉がいるんだっけ。

結婚式の時には、姿を見なかったけど…。

俺にとっては、小姑に当たる人物だな。

「お姉様には…うーん。まぁ、これで良いですわね」

母親に対するお土産は、ああでもないこうでもないとあれこれ悩んでいたのに。

姉に対する土産は、さして迷うこともなく。

手近にあった、箱庭帝国名産のお茶を選んだ。

それ、この間レストランで飲んだ、漢方薬みたいな凄い味がするお茶ですよね。

そのお茶をプレゼントするとは。嫌がらせの類ですか?

そんな適当な選び方で良いんですか、と聞こうかと思ったが。

まぁ、好きにすれば良いですよ。俺の姉じゃありませんから。

「どうですか、マリーフィアさん。欲しいもの、全部買いました?」

「えぇ。これで良いですわ」

あ、そう。

じゃ、これでお会計だな。

無事に土産も買ったことだし、箱庭帝国旅行を思う存分満喫したな。

そろそろ、箱庭帝国ともお別れである。

「ルルシー…。元気にしてますかね」

ルティス帝国で俺を待っているであろう、本物の愛しのフィアンセを思い浮かべて、うっとりとした。
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