The previous night of the world revolution~F.D.~
第6章
――――――…その頃、ルティス帝国では。

「…へ、はくしゅっ…」

「お、どうしたルル公。風邪か?」

「いや…。何でもない…」

誰か、俺の噂でもしてんのかね。

もしかして…ルレイアだろうか?今頃、箱庭帝国でマリーフィアと新婚旅行を楽しんでいるであろうルレイアが…。

あいつ、またルアリスを困らせてるんじゃないだろうな…。

俺が目を離したら、あいつはすぐに、

…って。

俺は、慌てて頭を振って、雑念を追い払った。

今は良いんだよ。ルレイアのことは。

むしろ、そのルレイアを何とか忘れようと思って、こうして「別のこと」に集中しようとしてるのに…。

「気を逸らして悪い、アリューシャ。続きを頼む」

「おー。そりゃあ良いんだけどさー…。アリューシャ、いっつも感覚でやってるからさ。教えてくれって言われても、どうやって教えりゃ良いのか分かんねぇんだよな」

と、アリューシャが答えた。
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