The previous night of the world revolution8~F.D.~
酷い態度だと思いませんか?

俺が、こんなにも丁寧に喋っているもいうのに。

押し倒してやろうか。

「マリーフィアに何をするつもり?この屋敷に、何をしに来たの?」

「考え過ぎですよ。何も企んでなんかいません」

「嘘よ。何も企んでいないなら、何でここにいるの?この部屋に」

「だから、キッチンを探そうと思ってただけです」

すっとぼけ、再び。

「この部屋は、あなたが足を踏み入れて良い場所じゃない。早く出ていって」

「済みません、俺、知らなくて…。…それにしても、随分大きな金庫ですね。一体何を入れてるんですか?」

「あなたには関係ないわ。早く出て。キッチンなら一階の南棟にあるわ」

取り付く島もない、とはこのことである。

もう少し親切になってくれても良いと思いません?嫁いびりならぬ、婿いびりですよ。

だが、これ以上はさすがに無理だな。

ここで食い下がったら、余計に疑いの種を巻きかねない。

引き際も大切である。

「分かりました。じゃあ、そちらに行きますね。ありがとうございます」

俺はにこやかにそう言って、宝物庫の部屋から出ていった。

俺の背中を、メリーディアが睨みつけているのが背中越しに伝わってきた。

…メリーディアの勘の鋭さは、想定外だったが。

とりあえず、宝物庫の位置を確認とするという当初の目的は達成出来たのだから、これで良しとしよう。
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