The previous night of the world revolution~F.D.~
香水のテイスティングをしていると。

「ただい…うわっ」

「あっ、ルルシー!」

会議に行っていたルルシーが、ようやく戻ってきた。

やった。ルルシー。お帰りなさい。

「ルルシー、待ってましたよ。今日も最高に素敵ですね…!」

「何なんだ、いきなり…。…そんなことより、お前ら何でここにいるんだよ…!?」

何でって言われても…。

ルルシーの質問に答えたのは、アリューシャだった。

「ルル公の部屋に集まるのは…アリューシャ達の…日常でね?」

その通りです。百点満点の解答ですよアリューシャ。

しかし、ルルシーは。

「勝手に日常にすんな。良いか、俺の部屋はな。コンビニ前のたむろ場じゃないんだぞ」

ピシャリとそう言い放つ。

いやん。いけず。

「さっさと出ていけ。今すぐ。可及的速やかに出ていけ」

「それよりルルシー先輩、ルルシー先輩もテイスティングしてみてくれ」

「それよりって何だよ。俺の部屋の領域が勝手に侵されてること以上に重要なことが…って言うか、この部屋くさっ…!」

おっ。ルルシーも気づいたようですね。

しかし、臭いと言われるのは心外ですよ。

良い匂いじゃないですか。

まぁ、ちょっと色んな香水の香りが混じり合って、カオスな空気になり始めてはいるけど。

「ルレイアが普段使ってる香水みたいな匂いがする…!何なんだこれは」

「ルルシー、あなた俺の匂いを覚えてくれてたんですね?」

感激。

これも愛の為せる業ですよね。

「覚えてるも何も、お前の香水はいつも強烈だから、嫌でも鼻につくんだよ」

「ルルシーにも俺の香り…たっぷりうつしてあげますからね…?」

「話を聞け」

いやん。ルルシーったらシャイなんだから。

そういうところがしゅき。

「お前ら、俺の部屋で一体何をしてるんだ?勝手に変な匂いを染み付かせるんじゃねぇ」

「香水のテイスティングだよ。実は、かくかくしかじかで…」

アイズが、先程の俺の説明をルルシーに話して聞かせた。

この度、ルレイア・ブランドの香水店を作ることになった云々、という話を。

ルルシーは、眉間に皺を寄せて聞いていた。

うふふ。何だか照れちゃいますね。
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