The previous night of the world revolution~F.D.~
「成程、そう来たか…。まぁ、どういう経緯でそうなったのかは、大体分かるよ」

後ろで話を聞いていたアイズが、勝手に一人で納得していた。

おい。一人で納得するな。俺にも事情を教えてくれ。

一体何がどうなって、そんなことになったのか。

貴族に戻るだけに留まらず、今度は帝国騎士団…。

…あぁ、そうかい。お前がそうするなら。

「…ルレイア、お前今何処にいる?」

『俺の心はいつだって、ルルシーの隣にいますよ』

「心じゃなくて実体の話だ」

勝手にスピリチュアルな解釈をするな。意味そういうことを言ってるんじゃない。

『カミーリア家の自室にいますけど…』

そうか。

「ちょっと出てこられるか?」

『えっ。ルルシー、俺に会ってくれるんですかっ?』

露骨に声が弾むルレイア。

こういうことは、会って話すのが一番である。

以前、『ルティス帝国を考える会』潜入していた時と違って、誰かに監視されている危険はない。

いざとなったら、会おうと思えば会える。

「あぁ。ちょっとどうしても…話したいことがあってな」

『成程、これは告白フラグですね!わっかりました〜!適当に理由つけて出掛けるんで、いつもデートしてるカラオケ店で会いましょうね!』

声が弾んでうっきうきのルレイアである。

…誰がいつカラオケでデートしたって?

あと、誰が告白フラグだって?

そんなフラグはへし折れ。

「…そんな訳だから、ちょっと出掛けてくる」

「ルルシー、ルレイアに宜しくね。この間のお土産ありがとうって伝えておいて」

「これ、ポテチ。ルレ公にポテチあげてくれ。アリューシャだと思って大事に食べてくれよな!」

シュノに伝言を頼まれ、アリューシャにはポテトチップスを一袋、お土産に渡された。

アリューシャだと思って食べろって、それどういうこと?

つーか、遊びに行くんじゃねぇから。

説教しに行くんだよ。

あぁ、もうこいつらに構ってられるか。

「…ルルシーも気苦労が絶えないね」

「…全くだよ…」

お前だけは分かってくれるか、アイズ。

じゃあ行ってくるとするかな。…あの馬鹿に会いに。
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