The previous night of the world revolution~F.D.~
全くもう、ルルシーったら困ったちゃんなんだから。

「…やれやれ、ルルシーも冗談がお上手ですね。ちょっと離れてる間にルルシーの冗談レベルが上がっ、」

「冗談言ってるように聞こえるか?」

「…」

聞こえませんね。残念ながら。

「…じゃあ、俺の聞き間違いですね。ほら、ここ騒がしいですし。さっきからお隣のおばさんのだみ声が、」

「おばさんに失礼だろ。あと、聞き間違いでもない」

「…」

そうですか。

俺もそうなんじゃないかって思ってたところですよ。

「…ルルシー、本気なんですか?」

今度は、俺がそう聞く番である。

「あぁ、至って本気だ」

とのこと。

…あらあら…。

「お前を一人で帝国騎士団には行かせない。お前が行くなら俺も行く」

「いやー、でも、俺一人でも大丈夫ですよ?」

「お前が大丈夫でも、俺は大丈夫じゃない。絶対に一緒に行くからな。帝国騎士団の…オルタンスを脅してでも、お前と一緒に帝国騎士団に戻る」

わーお。ルルシーったら過激。

でも、そこまで覚悟を決めてるなら、俺が何を言っても無駄みたいですね。

「…分かりましたよ、ルルシー」 

俺だって、ルルシーが傍にいてくれるなら、その方が心強いですしね。

どうせやるなら徹底的に、ってことで。

「じゃあ、俺と一緒に来てください」

「あぁ、そうする」

まさか、俺とルルシー両名で、帝国騎士団に戻ることになるとは。

分からないものですね、人生って。
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