The previous night of the world revolution~F.D.~
…その日の夕方。
俺は、マリーフィアとの約束通り、日が暮れる前にカミーリア家の屋敷に戻った。
ちゃんと、お土産も買って帰りましたよ。
自分の店、『ブラック・カフェ』に寄ってきました。
今日も大繁盛で大行列だったけど、俺は顔パスで入店し、テイクアウトしました。
…え?職権乱用?
…は?
ともあれ、門限までに帰ってこられて良かったですよ。
と、いうのも。
「ただいま、マリーフィアさん」
「ルナニアさん…!お帰りなさいませ。帰りが遅いから、心配しましたわ」
俺が玄関に入ってくるなり、マリーフィアが待ち構えていた。
こいつ、ここで待ってたのか?怖っ。
と言うか、ちゃんと日が暮れる前に戻ってきたのに、帰りが遅いと言われる筋合いはない。
「何処に行ってたんですの?」
「カラオケですよ」
「からおけ…?」
カラオケルームをご存知でないお嬢様。
カラオケ行ったことないとか、人生3割くらいは損してるな。
「そうですね…。歌を歌ったり聴いたりするところです」
「まぁ。それじゃ、オペラみたいなものですのね」
間違ってはいませんね。俺の美声はオペラ歌手にも匹敵しますから(ドヤッ)。
「良いですわね…。お友達とオペラ…。わたくしも、ルナニアさんとオペラを聴きに行きたかったですわ…」
嫉妬心剥き出しのマリーフィアである。
面倒くさっ…。
それでも、俺はにっこりと手土産を差し出した。
「まぁ、そうおっしゃらず。お土産を買ってきたんですよ」
「本当ですの?嬉しいですわ」
「えぇ。ロールケーキなんですよ。一緒に食べましょう」
勿論、真っ黒ロールケーキである。
シェルドニアマックロワタリガニのカニ味噌を生地にたっぷり混ぜて焼いた、甘くて香ばしいロールケーキですよ。
我が『ブラック・カフェ』の今月の新メニューです。
「良かったですわ、ルナニアさんがちゃんと、わたくしのもとに帰ってきてくれて…」
「…はい?」
マリーフィアは、そっと俺の傍に寄り添うように擦り寄ってきた。
…何こいつ。キモいんですけど。
「どうしたんですか、一体…。戻ってくるに決まってるでしょう?俺とマリーフィアさんは夫婦なんですから」
「ふ、夫婦…。夫婦…そうですわよね…」
夫婦って言葉に照れるな。気色悪い。
俺の正妻は、いつだってルルシーだけだ。
「でも、その…わたくし達、まだ…本当の…ちゃんとした夫婦として成立してないでしょう…?」
「…」
…あー。
まぁ、そうですけど…。
…え、何ですか。俺がちょっと外出しただけで嫉妬心拗らせて、そういうことを考え始めたってことですか。
俺は、マリーフィアとの約束通り、日が暮れる前にカミーリア家の屋敷に戻った。
ちゃんと、お土産も買って帰りましたよ。
自分の店、『ブラック・カフェ』に寄ってきました。
今日も大繁盛で大行列だったけど、俺は顔パスで入店し、テイクアウトしました。
…え?職権乱用?
…は?
ともあれ、門限までに帰ってこられて良かったですよ。
と、いうのも。
「ただいま、マリーフィアさん」
「ルナニアさん…!お帰りなさいませ。帰りが遅いから、心配しましたわ」
俺が玄関に入ってくるなり、マリーフィアが待ち構えていた。
こいつ、ここで待ってたのか?怖っ。
と言うか、ちゃんと日が暮れる前に戻ってきたのに、帰りが遅いと言われる筋合いはない。
「何処に行ってたんですの?」
「カラオケですよ」
「からおけ…?」
カラオケルームをご存知でないお嬢様。
カラオケ行ったことないとか、人生3割くらいは損してるな。
「そうですね…。歌を歌ったり聴いたりするところです」
「まぁ。それじゃ、オペラみたいなものですのね」
間違ってはいませんね。俺の美声はオペラ歌手にも匹敵しますから(ドヤッ)。
「良いですわね…。お友達とオペラ…。わたくしも、ルナニアさんとオペラを聴きに行きたかったですわ…」
嫉妬心剥き出しのマリーフィアである。
面倒くさっ…。
それでも、俺はにっこりと手土産を差し出した。
「まぁ、そうおっしゃらず。お土産を買ってきたんですよ」
「本当ですの?嬉しいですわ」
「えぇ。ロールケーキなんですよ。一緒に食べましょう」
勿論、真っ黒ロールケーキである。
シェルドニアマックロワタリガニのカニ味噌を生地にたっぷり混ぜて焼いた、甘くて香ばしいロールケーキですよ。
我が『ブラック・カフェ』の今月の新メニューです。
「良かったですわ、ルナニアさんがちゃんと、わたくしのもとに帰ってきてくれて…」
「…はい?」
マリーフィアは、そっと俺の傍に寄り添うように擦り寄ってきた。
…何こいつ。キモいんですけど。
「どうしたんですか、一体…。戻ってくるに決まってるでしょう?俺とマリーフィアさんは夫婦なんですから」
「ふ、夫婦…。夫婦…そうですわよね…」
夫婦って言葉に照れるな。気色悪い。
俺の正妻は、いつだってルルシーだけだ。
「でも、その…わたくし達、まだ…本当の…ちゃんとした夫婦として成立してないでしょう…?」
「…」
…あー。
まぁ、そうですけど…。
…え、何ですか。俺がちょっと外出しただけで嫉妬心拗らせて、そういうことを考え始めたってことですか。