The previous night of the world revolution~F.D.~
「ですから、その…。心配なんですの。ルナニアさんが、わたくし以外の女の人のところに行ってしまうんじゃないかって…」

「…」

女限定で良いんですか。

「…そんな心配、しなくて良いんですよ」

俺は、そっとマリーフィアの手を取った。

顔には勿論、「業務用」の笑顔を貼り付けて。

我ながら最高にロマンティックな雰囲気を醸し出していく。

「俺とマリーフィアさんは、れっきとした夫婦なんですよ。誰にも文句は言わせません。だから、そんな心配しないでください」

「そ、そうですけれど…。でも…」

「…それでも不安なら、もしマリーフィアさんが望んでくれるなら、今日、本当の夫婦になりましょうか」

「…!」

俺の言わんとすることは分かるな?

俺は、わざとマリーフィアの耳元に唇を寄せるようにして、甘く囁いた。

「…大丈夫。あなたが嫌ならしませんよ」

「い、いえっ…。そ、その…」

しばし、もごもごと口ごもったマリーフィアは。

…覚悟を決めたように、きゅっと俺の服の裾を握り締めた。

「…よ、宜しくお願い致します、わ」

「…お願いされました」

大丈夫、心配することはありませんよ。

「そっちの技術」については、俺は天下一品ですから。

それじゃあ、お土産の真っ黒ロールケーキを食べる前に。

ルレイア・ハーレムの新たな会員一名様を、ペロッと一口、いただいてくるとしましょうか。
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