The previous night of the world revolution~F.D.~
第9章
ルルシーとカラオケルームでデートし、その夜にマリーフィアと結ばれ。
本当の意味で夫婦となったその日から、数週間が過ぎ。
月が変わったその日、俺はカミーリア家の自室で、懐かしい衣装に袖を通していた。
…まさか、またこの制服を着る日が来るとは。
帝国騎士団の、不気味な白い制服を。
「…」
こうして真新しい制服を着ると、嫌でも思い出してしまう。
もう何年も前。地獄のような帝国騎士官学校を卒業し、人生で初めてこの制服に袖を通した、あの日のことを。
今着ている制服は、あの時と全く変わっていない。
だけど、同じ制服を着ているというのに、その服を着ている俺は、あの時とは全く変わってしまった。
まるで違う生き物になってしまった、と言っても良い。
あの頃の俺には、まだ未来に対する希望があった。
正しい者は救われ、傷はいつか癒えると信じていた。
…いや、信じていたと言うのは語弊があるな。
信じたかったのだ。この世には、まだ正義があると。
思わず、苦笑せずにいられない。
…我ながら、青い時期があったものですね。
そういや、あの頃はまだ童貞でしたからね。
信じられます?この俺にも、ルアリスみたいな童貞だった頃があるんですよ。
もう、遠い昔の話のように感じるな。
かつて期待と希望に満ちていたはずの、真っ白な制服は。
今では嫌悪と欺瞞の象徴でしかなく、今すぐこの白い制服を、真っ黒に染めたくなる。
「…改めて見ると、ダサい制服だなぁ…」
大昔から全然変わってないデザインらしいですよ。この制服。
伝統ある(笑)制服らしいですけど。
ルティス帝国のファッションリーダーたる俺にしてみれば、型式張った、時代遅れとしか言い様がない。
こんなダサい格好、申し訳なくて、ルレイア・ハーレムの会員の皆さんには見せられませんよ。
アクセサリーだって、華美なものは着用禁止。
精々シンプルな指輪だけとか、ワンポイントのネックレスだけとか、それくらいしか駄目なんだそう。
ピアスは禁止だし、髪飾りもブレスレットも禁止。
香水だって、いつものオリエンタルな香りはつけられない。
仕方なく、シトラス系のコロンを吹き付けてみた。
全然テンションが上がりませんね。はー、憂鬱な気分。
…すると、そこに拍車をかけるように。
「ルナニアさん。起きてらっしゃいます?」
「あ、マリーフィアさん…。おはようございます」
「おはようございますわ…。あら?その格好…」
今では名実共に、正式に夫婦として結ばれたマリーフィアが、俺の部屋にやって来た。
帝国騎士団の制服を着た俺を、マリーフィアはぽかんとして見つめていた。
本当の意味で夫婦となったその日から、数週間が過ぎ。
月が変わったその日、俺はカミーリア家の自室で、懐かしい衣装に袖を通していた。
…まさか、またこの制服を着る日が来るとは。
帝国騎士団の、不気味な白い制服を。
「…」
こうして真新しい制服を着ると、嫌でも思い出してしまう。
もう何年も前。地獄のような帝国騎士官学校を卒業し、人生で初めてこの制服に袖を通した、あの日のことを。
今着ている制服は、あの時と全く変わっていない。
だけど、同じ制服を着ているというのに、その服を着ている俺は、あの時とは全く変わってしまった。
まるで違う生き物になってしまった、と言っても良い。
あの頃の俺には、まだ未来に対する希望があった。
正しい者は救われ、傷はいつか癒えると信じていた。
…いや、信じていたと言うのは語弊があるな。
信じたかったのだ。この世には、まだ正義があると。
思わず、苦笑せずにいられない。
…我ながら、青い時期があったものですね。
そういや、あの頃はまだ童貞でしたからね。
信じられます?この俺にも、ルアリスみたいな童貞だった頃があるんですよ。
もう、遠い昔の話のように感じるな。
かつて期待と希望に満ちていたはずの、真っ白な制服は。
今では嫌悪と欺瞞の象徴でしかなく、今すぐこの白い制服を、真っ黒に染めたくなる。
「…改めて見ると、ダサい制服だなぁ…」
大昔から全然変わってないデザインらしいですよ。この制服。
伝統ある(笑)制服らしいですけど。
ルティス帝国のファッションリーダーたる俺にしてみれば、型式張った、時代遅れとしか言い様がない。
こんなダサい格好、申し訳なくて、ルレイア・ハーレムの会員の皆さんには見せられませんよ。
アクセサリーだって、華美なものは着用禁止。
精々シンプルな指輪だけとか、ワンポイントのネックレスだけとか、それくらいしか駄目なんだそう。
ピアスは禁止だし、髪飾りもブレスレットも禁止。
香水だって、いつものオリエンタルな香りはつけられない。
仕方なく、シトラス系のコロンを吹き付けてみた。
全然テンションが上がりませんね。はー、憂鬱な気分。
…すると、そこに拍車をかけるように。
「ルナニアさん。起きてらっしゃいます?」
「あ、マリーフィアさん…。おはようございます」
「おはようございますわ…。あら?その格好…」
今では名実共に、正式に夫婦として結ばれたマリーフィアが、俺の部屋にやって来た。
帝国騎士団の制服を着た俺を、マリーフィアはぽかんとして見つめていた。