The previous night of the world revolution~F.D.~
「一応聞いておくが、お宅らは、このダイヤのことを何処まで知ってる?」
ジュリスさんが俺とルルシーに尋ねた。
「一通りのことは、一応知識として知ってますけど」
「俺は…正直よく知らん。ルレイアほど博識じゃないからな…」
ルルシー、あなたは素直でよろしい。
ジュリスさんはそう言われることを予想していたのか、顔色一つ変えなかった。
「だったら、まずこのダイヤの説明についてだな…。あんた、カミーリア家って知ってるか?」
「…カミーリア?聞いたことがあるような、ないような…」
「ルティス帝国上級貴族の一つですよ。昔はベルガモット王家とも縁が深かった、名のある貴族です」
「…!貴族…」
貴族と聞いて、ルルシーの目の色が変わった。
おっと。ルルシーの警戒スイッチが入っちゃいましたね。
「…そういう話なら、俺が聞く」
あぁほら。言わんこっちゃない。
「あんたが?何で?」
「ルレイアには聞かせられない。貴族…しかも上級貴族絡みの話なら…」
「とは言うけど、あんた『ローズ・ブルーダイヤ』について知らないんだろ?」
「うっ…」
…ルルシー。気持ちは分かりますけど。
今回は、ジュリスさんに同意せざるを得ませんね。
「そ、それはそうだけど…」
「心配しなくても大丈夫ですよ、ルルシー」
俺は苦笑を噛み殺しながら言った。
全くもう。ルルシーの心配性、ここに極まれりですね。
「確かにカミーリア家は上級貴族ですけど…俺とはほとんど面識はありませんよ。軽く挨拶したことがある程度です」
「…でも…ルレイア…」
「こんなところで中断してちゃ、話が進みませんから。本当に大丈夫なので、話を続けてください」
「…分かったよ。でも、無理するなよ」
分かってますよ。本当に心配性なんだから。
困ったちゃんですよ。ルルシーは。
「続き、お願いして良いですか?ジュリスさん」
「…なんか訳アリらしいな。分かった」
俺とルルシーのやり取りを見て、何かを察してくれたらしく。
俺とカミーリア家の関係について、ジュリスさんは敢えて深く聞くことはなかった。
こういう気遣いってとても有り難いですよね。
「ともかく…。この『ローズ・ブルーダイヤ』っていうのは、そのカミーリア家に代々伝わる家宝なんだが…」
「家宝ね…。これが?」
ルルシーは胡散臭そうな表情で、テーブルの上のジュエリーボックスを見つめた。
…まぁ、実物を見てなかったら、誰だってそんな反応になりますよね。
「お貴族様の家宝が何ほどのものが知らないが…。そんなに価値のあるものなのか?」
「現在、世界に一つしかないと言われている希少価値の高い青いダイヤモンドです」
「間違いなく、このルティス帝国に存在する宝石の中で、最も貴重な宝石だと言われてる。あまりに貴重過ぎて、値段をつけるのも難しいほどだ」
「…」
俺とジュリスさんの説明に、ルルシーは口をあんぐり開けてぽかんとしていた。
…まぁ、普通はそういう反応になりますよね。
「…これが、本当に、そうなのか?」
しばし呆然としていたルルシーは、半信半疑の表情でジュエリーボックスを見下ろした。
…このルティス帝国で最も貴重な宝石が、自分の目の前にあるとは信じられないでしょうね。
「ジュリスさんの言うことが確かだとしたら、そうなりますね」
「実物を確認していないから、何とも言えないけどな」
「…」
宝石鑑定士じゃありませんからね。我々は。
大体、これが本物か否かを確かめる術は、俺達にはない。
この宝石が仮に本物だとして、現状、このジュエリーボックスを開けることは出来ないからだ。
ジュリスさんが俺とルルシーに尋ねた。
「一通りのことは、一応知識として知ってますけど」
「俺は…正直よく知らん。ルレイアほど博識じゃないからな…」
ルルシー、あなたは素直でよろしい。
ジュリスさんはそう言われることを予想していたのか、顔色一つ変えなかった。
「だったら、まずこのダイヤの説明についてだな…。あんた、カミーリア家って知ってるか?」
「…カミーリア?聞いたことがあるような、ないような…」
「ルティス帝国上級貴族の一つですよ。昔はベルガモット王家とも縁が深かった、名のある貴族です」
「…!貴族…」
貴族と聞いて、ルルシーの目の色が変わった。
おっと。ルルシーの警戒スイッチが入っちゃいましたね。
「…そういう話なら、俺が聞く」
あぁほら。言わんこっちゃない。
「あんたが?何で?」
「ルレイアには聞かせられない。貴族…しかも上級貴族絡みの話なら…」
「とは言うけど、あんた『ローズ・ブルーダイヤ』について知らないんだろ?」
「うっ…」
…ルルシー。気持ちは分かりますけど。
今回は、ジュリスさんに同意せざるを得ませんね。
「そ、それはそうだけど…」
「心配しなくても大丈夫ですよ、ルルシー」
俺は苦笑を噛み殺しながら言った。
全くもう。ルルシーの心配性、ここに極まれりですね。
「確かにカミーリア家は上級貴族ですけど…俺とはほとんど面識はありませんよ。軽く挨拶したことがある程度です」
「…でも…ルレイア…」
「こんなところで中断してちゃ、話が進みませんから。本当に大丈夫なので、話を続けてください」
「…分かったよ。でも、無理するなよ」
分かってますよ。本当に心配性なんだから。
困ったちゃんですよ。ルルシーは。
「続き、お願いして良いですか?ジュリスさん」
「…なんか訳アリらしいな。分かった」
俺とルルシーのやり取りを見て、何かを察してくれたらしく。
俺とカミーリア家の関係について、ジュリスさんは敢えて深く聞くことはなかった。
こういう気遣いってとても有り難いですよね。
「ともかく…。この『ローズ・ブルーダイヤ』っていうのは、そのカミーリア家に代々伝わる家宝なんだが…」
「家宝ね…。これが?」
ルルシーは胡散臭そうな表情で、テーブルの上のジュエリーボックスを見つめた。
…まぁ、実物を見てなかったら、誰だってそんな反応になりますよね。
「お貴族様の家宝が何ほどのものが知らないが…。そんなに価値のあるものなのか?」
「現在、世界に一つしかないと言われている希少価値の高い青いダイヤモンドです」
「間違いなく、このルティス帝国に存在する宝石の中で、最も貴重な宝石だと言われてる。あまりに貴重過ぎて、値段をつけるのも難しいほどだ」
「…」
俺とジュリスさんの説明に、ルルシーは口をあんぐり開けてぽかんとしていた。
…まぁ、普通はそういう反応になりますよね。
「…これが、本当に、そうなのか?」
しばし呆然としていたルルシーは、半信半疑の表情でジュエリーボックスを見下ろした。
…このルティス帝国で最も貴重な宝石が、自分の目の前にあるとは信じられないでしょうね。
「ジュリスさんの言うことが確かだとしたら、そうなりますね」
「実物を確認していないから、何とも言えないけどな」
「…」
宝石鑑定士じゃありませんからね。我々は。
大体、これが本物か否かを確かめる術は、俺達にはない。
この宝石が仮に本物だとして、現状、このジュエリーボックスを開けることは出来ないからだ。