The previous night of the world revolution~F.D.~
「えっ。そうですの?」

似合うと言われて、顔を上げるマリーフィア。

「確かに…宝石とはまた違いますけど、キラキラしてて可愛いですわね」

ピンクだし。少女デザインだし。いかにもマリーフィアが好きそうだと思ったら。

案の定、マリーフィアの好みどストライクだったらしい。

俺って見る目ある。

「そうでしょう?気に入ったなら買ってあげますよ」

「本当?良いんですの?」

「勿論ですよ。それじゃあ、このピンクのピアスと…」

それから、俺は別の…藍色の大人っぽいデザインのレジンピアスを手に取った。

「こっちもください」 

「はい、ありがとうございます」

売り子さんはにっこりと笑って、会計をしてくれた。

「…?そっちはルナニアさんがつけるんですの?」

まさか。黒以外のアクセサリーなんて、俺の好みじゃありませんよ。

俺じゃなくて。

「こちらはマリーフィアさんに…。それからこちらは、メリーディアさんに」

俺は、藍色のピアスをメリーディアに差し出した。

「え、私…?」

差し出されたピアスを前に、驚いたように目を見開くメリーディア。

「えぇ。こちらはメリーディアさんにお似合いかな、と思って」

「そ、そんな…。私には、そんなアクセサリーなんて…」

「どうしてですか?お似合いですよ。落ち着いた大人っぽい色合いが、メリーディアさんにぴったりです」

似合うと言ったのは嘘じゃないぞ。

俺の見立ては確かですからね。

「そ、それなら…自分でお金を払うわ」

「そんな、結構ですよ。俺からのプレゼントです。今日、こうして付き合ってくれましたからね」

「…」

マリーフィアにもプレゼントしたんだから、メリーディアにもあげますよ。

ピアスの一つや二つでご機嫌取り出来るなら、安いものだろう。

「さぁ、どうぞ。遠慮なく」

「あ…ありがとう…」

「マリーフィアさんも、どうぞ」

「ありがとうございますわ」

マリーフィアもメリーディアも、それぞれレジンピアスを受け取った。

マリーフィアはいかにも嬉しそうに、メリーディアはおずおずと。

二人の性格が表れてますね。

この二人が喜んでても、ぜーんぜん嬉しくない。

これがシュノさんとか…ルルシーだったらなぁ。このお店にあるレジンアクセサリー、全部買ってプレゼントするのに…。

そういえば、アイズとアリューシャ、ルーチェスとルーチェス嫁が来てたってことは。

他の『青薔薇連合会』メンバーも、この会場に来てるんでしょうかね?
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