The previous night of the world revolution~F.D.~
じーっ、とジュエリーボックスを見下ろすルルシー。
「…で、何でそんなお高い宝石がここにあるんだ?」
まぁ、当然の疑問ですけど。
「その説明をする前に…本来の『ローズ・ブルーダイヤ』の所在を説明しておかないとな」
と、ジュリスさんが言った。
「何故、このダイヤをカミーリア家が所有していたのかという話なんだが…」
「それは俺が説明しますよ」
腐っても、一応元貴族なんでね。
「ルレイア…知ってるのか?」
「えぇ。元々カミーリア家という家は、古くから、ベルガモット王家より宝石鉱山の採掘権を与えられた家柄で、宝石を扱うのが家業だったんです」
カミーリア家が採掘した宝石を、ベルガモット王家に献上して、そのお礼にベルガモット王家がカミーリア家を貴族として取り立ててやって…みたいな。
そういう相互関係があったらしいですよ。
まぁ、昔から宝石の専門屋だった訳ですね。カミーリア家というのは。
貴族の中でも珍しい体系ですけど。
「で、昔からベルガモット王家や、他の諸貴族相手に宝石を売りつけて、確固たる地位を築いていたカミーリア家ですが…。そんな彼らが採掘した、最も高価な宝石が、『ローズ・ブルーダイヤ』なんです」
「そんなものが…。そんなに貴重なダイヤなのに、ベルガモット王家に献上しなかったのか?」
「一番大切で、一番貴重なものだからこそ、他人に渡さず自分の懐に隠しておきたかったんでしょうね」
おおかた、いざという時の切り札にしたかったんじゃないですか?
もし、将来お家存続の危機が訪れることがあったら。
その時は、このダイヤを切り札に、ベルガモット王家に便宜を図ってもらおうとでも思ったんでしょう。
オツムの弱い貴族共の考えそうなことですよ。
ともかく、『ローズ・ブルーダイヤ』が王家の手に渡ることはなかった。
カミーリア家の宝物庫に、厳重に保護されて家宝として守り継がれることになった。
「成程、それでカミーリア家ってのがダイヤを持ってたのか…」
「えぇ。俺が知る限り、今に至るまでカミーリア家は、『ローズ・ブルーダイヤ』を後生大事に守っていたはずなんですが…」
…今ここに、その『ローズ・ブルーダイヤ』があるってことは。
どうやら、何か事情が変わったようですね。
「で、ジュリスさん。何故ここに、このダイヤがあるのか…。改めて説明してもらえます?」
「あぁ。…一言で言うと、それは盗品だ」
「とっ…!盗品だと…!?」
ルルシーは、飛び上がらんばかりに驚いていた。
…まぁ、そんなところでしょうね。
「あんたは驚かないんだな、ルレイア・ティシェリー」
「そんなことだろうと思ってましたからね。カミーリア家がダイヤを手放す訳がありませんから」
貴族の連中というのは、価値観が大昔のまま止まってますからね。
遥か昔から守り継がれてきたダイヤを、他人の手に渡すなんてとんでもない。
今に至るまで後生大事に守っていたものを、例えベルガモット王家に頼まれたとしても、売ることも譲渡することもないだろう。
それなのに、こうしてカミーリア家の宝物庫から出されて、ダイヤがここにあるってことは…。
不法に持ち出されたもの、ということだ。
「…で、何でそんなお高い宝石がここにあるんだ?」
まぁ、当然の疑問ですけど。
「その説明をする前に…本来の『ローズ・ブルーダイヤ』の所在を説明しておかないとな」
と、ジュリスさんが言った。
「何故、このダイヤをカミーリア家が所有していたのかという話なんだが…」
「それは俺が説明しますよ」
腐っても、一応元貴族なんでね。
「ルレイア…知ってるのか?」
「えぇ。元々カミーリア家という家は、古くから、ベルガモット王家より宝石鉱山の採掘権を与えられた家柄で、宝石を扱うのが家業だったんです」
カミーリア家が採掘した宝石を、ベルガモット王家に献上して、そのお礼にベルガモット王家がカミーリア家を貴族として取り立ててやって…みたいな。
そういう相互関係があったらしいですよ。
まぁ、昔から宝石の専門屋だった訳ですね。カミーリア家というのは。
貴族の中でも珍しい体系ですけど。
「で、昔からベルガモット王家や、他の諸貴族相手に宝石を売りつけて、確固たる地位を築いていたカミーリア家ですが…。そんな彼らが採掘した、最も高価な宝石が、『ローズ・ブルーダイヤ』なんです」
「そんなものが…。そんなに貴重なダイヤなのに、ベルガモット王家に献上しなかったのか?」
「一番大切で、一番貴重なものだからこそ、他人に渡さず自分の懐に隠しておきたかったんでしょうね」
おおかた、いざという時の切り札にしたかったんじゃないですか?
もし、将来お家存続の危機が訪れることがあったら。
その時は、このダイヤを切り札に、ベルガモット王家に便宜を図ってもらおうとでも思ったんでしょう。
オツムの弱い貴族共の考えそうなことですよ。
ともかく、『ローズ・ブルーダイヤ』が王家の手に渡ることはなかった。
カミーリア家の宝物庫に、厳重に保護されて家宝として守り継がれることになった。
「成程、それでカミーリア家ってのがダイヤを持ってたのか…」
「えぇ。俺が知る限り、今に至るまでカミーリア家は、『ローズ・ブルーダイヤ』を後生大事に守っていたはずなんですが…」
…今ここに、その『ローズ・ブルーダイヤ』があるってことは。
どうやら、何か事情が変わったようですね。
「で、ジュリスさん。何故ここに、このダイヤがあるのか…。改めて説明してもらえます?」
「あぁ。…一言で言うと、それは盗品だ」
「とっ…!盗品だと…!?」
ルルシーは、飛び上がらんばかりに驚いていた。
…まぁ、そんなところでしょうね。
「あんたは驚かないんだな、ルレイア・ティシェリー」
「そんなことだろうと思ってましたからね。カミーリア家がダイヤを手放す訳がありませんから」
貴族の連中というのは、価値観が大昔のまま止まってますからね。
遥か昔から守り継がれてきたダイヤを、他人の手に渡すなんてとんでもない。
今に至るまで後生大事に守っていたものを、例えベルガモット王家に頼まれたとしても、売ることも譲渡することもないだろう。
それなのに、こうしてカミーリア家の宝物庫から出されて、ダイヤがここにあるってことは…。
不法に持ち出されたもの、ということだ。