The previous night of the world revolution~F.D.~
第11章
ーーーーー…楽しい楽しい避難訓練が終わり。
次々と医務室に運ばれる、軟弱者の帝国騎士達を、うきうきと横目に。
俺は意気揚々と、超ご機嫌に定時退社。
いやぁ。良い仕事をした日は、とっても気分が良いですね。
あまりに気分が良かったので、今日という日を祝して、デザートを買って帰ることにしました。
行きつけの『ブラック・カフェ』で、ブラックプリンをテイクアウト。
『frontier』の新曲を鼻歌で歌いながら、るんるんとカミーリア家の屋敷に帰宅した。
すると、屋敷の門のところで、とある女性と鉢合わせした。
「あれ、メリーディアさんじゃないですか」
「あ…。ルナニア…さん」
随分とラフな格好をしたメリーディアが、俺に気づいてこちらを振り向いた。
聞きました?俺、メリーディアにさん付けで呼ばれるようになったんですよ。
いやぁ。地道に信頼を築いた甲斐がありましたね。
内心ガッツポーズをしながら、にこやかにメリーディアに話しかけた。
「お帰りなさい。メリーディアさんもお出掛けしてたんですね」
「えぇ…。まぁね」
「失礼ですが、今日はどちらに?」
「ちょっと…マリーフィアに頼まれてね、ルティス帝国総合大学で、講義を受けてきたの」
…ってことは、また代返か。
「マリーフィアさん…。今日も講義に出なかったんですか?」
「えぇ…。今日は友達とランチに行く約束があるから、って…」
そんな理由で代返を頼むとは。
あいつ、もう大学やめたら?何の為に通ってんのか分からないじゃないか。
「そうだったんですか…。大変でしたね」
「まったくだわ…。でも、もう慣れてるから」
代返に慣れるな。
バレたらあんたもタダじゃ済まないだろうに、と思いつつ。
それでも、俺は微笑んでみせた。
「お疲れ様でした。…相変わらずメリーディアさんは優しいですね」
「…そんな…ことは…」
「妹思いの、優しい良いお姉さんですよ。メリーディアさんみたいな素敵なお姉さんがいて、マリーフィアさんは幸せですね」
とっても素敵な、「業務用」スマイルを浮かべ。
メリーディアを虜にした上で、俺は切り札とばかりに、先程買ってきた真っ黒プリンの紙袋を差し出した。
「これ、プリンなんですけど、お土産にと思って、買ってきたんです。メリーディアさんにもありますから、どうぞ」
「え…。私にもあるの?」
「当たり前じゃないですか。メリーディアさんは、俺の大切な家族ですからね」
「…」
メリーディアは、じっと俺の目を見つめた。
「…あなたくらいよ。この家で、そんなことを言うのは…」
「そうですか?でも、俺にとってはそうなんです」
「…お土産、ありがとう。有り難くいただくわ」
「はい、そうしてください」
いやはや。
すっかり俺にデレてくれて、ありがとうございます。
次々と医務室に運ばれる、軟弱者の帝国騎士達を、うきうきと横目に。
俺は意気揚々と、超ご機嫌に定時退社。
いやぁ。良い仕事をした日は、とっても気分が良いですね。
あまりに気分が良かったので、今日という日を祝して、デザートを買って帰ることにしました。
行きつけの『ブラック・カフェ』で、ブラックプリンをテイクアウト。
『frontier』の新曲を鼻歌で歌いながら、るんるんとカミーリア家の屋敷に帰宅した。
すると、屋敷の門のところで、とある女性と鉢合わせした。
「あれ、メリーディアさんじゃないですか」
「あ…。ルナニア…さん」
随分とラフな格好をしたメリーディアが、俺に気づいてこちらを振り向いた。
聞きました?俺、メリーディアにさん付けで呼ばれるようになったんですよ。
いやぁ。地道に信頼を築いた甲斐がありましたね。
内心ガッツポーズをしながら、にこやかにメリーディアに話しかけた。
「お帰りなさい。メリーディアさんもお出掛けしてたんですね」
「えぇ…。まぁね」
「失礼ですが、今日はどちらに?」
「ちょっと…マリーフィアに頼まれてね、ルティス帝国総合大学で、講義を受けてきたの」
…ってことは、また代返か。
「マリーフィアさん…。今日も講義に出なかったんですか?」
「えぇ…。今日は友達とランチに行く約束があるから、って…」
そんな理由で代返を頼むとは。
あいつ、もう大学やめたら?何の為に通ってんのか分からないじゃないか。
「そうだったんですか…。大変でしたね」
「まったくだわ…。でも、もう慣れてるから」
代返に慣れるな。
バレたらあんたもタダじゃ済まないだろうに、と思いつつ。
それでも、俺は微笑んでみせた。
「お疲れ様でした。…相変わらずメリーディアさんは優しいですね」
「…そんな…ことは…」
「妹思いの、優しい良いお姉さんですよ。メリーディアさんみたいな素敵なお姉さんがいて、マリーフィアさんは幸せですね」
とっても素敵な、「業務用」スマイルを浮かべ。
メリーディアを虜にした上で、俺は切り札とばかりに、先程買ってきた真っ黒プリンの紙袋を差し出した。
「これ、プリンなんですけど、お土産にと思って、買ってきたんです。メリーディアさんにもありますから、どうぞ」
「え…。私にもあるの?」
「当たり前じゃないですか。メリーディアさんは、俺の大切な家族ですからね」
「…」
メリーディアは、じっと俺の目を見つめた。
「…あなたくらいよ。この家で、そんなことを言うのは…」
「そうですか?でも、俺にとってはそうなんです」
「…お土産、ありがとう。有り難くいただくわ」
「はい、そうしてください」
いやはや。
すっかり俺にデレてくれて、ありがとうございます。