The previous night of the world revolution~F.D.~
その後、俺はルルシーと共に、『青薔薇連合会』に帰還した。

「こんにちはー。ルレイアが帰ってきましたよー」

「あ、ルレイア。お帰りなさい」

「英雄の凱旋だな」

「お帰りなさい、ルレイア師匠。お待ちしてました」

「うぉぉぉ!ルレ公だぁぁぁ!」

アイズ、ルリシヤ、ルーチェス、そしてアリューシャの順である。

それから。

「おいシュー公、シュー公!こっち来てみろ!良いもんがあるぞ!」

「良いもん…?ってなぁに?」

「良いから来てみろって」

「あ、ちょ、そんな引っ張らな…」

アリューシャが、ぐいぐいとシュノさんの腕を引っ張って連れてきた。

おっと。お久し振りですね。

「こんにちは。シュノさん」

「あっ…。ルレイア…」 

シュノさんは俺の姿を見て、目を真ん丸に見開いた。

そして。

「る…る…ルレイアぁぁぁぁっ…」

うるっ、と両目に涙を溜め、思いっきり抱きついてきた。

俺は、そんなシュノさんを両腕で抱き留めた。

「ただいま、シュノさん」

「ルレイアっ…ルレイアだ…。うぅ、ルレイア…会いたかった…!」

「俺も会いたかったですよ」

避難訓練の時、姿は見ていたんですけどね。

直接会って話をする機会は、この3ヶ月の間一度もなかった。

いやはや。仲間達との再会は、さすがに感慨深いものがありますね。

「ルレイアなのね。本当にルレイア…。うぅっ…ひっく、ひっく…」

「あー!いけないんだ。ルレ公がまーたシュー公泣かしてる!」

ちょっと、アリューシャ。それは誤解ですよ。

「こいつはナチュラルに女を泣かせるからな…。女の敵だよ」

「お変わりないようで安心しましたよ、ルレイア師匠」

呆れ顔のルルシーの隣で、笑顔のルーチェスが言った。

ルーチェスこそ、お変わりないようで。

いやぁ、泣けますね。仲間達との再会は。

「無事に戻ってきて嬉しいよ、ルレイア。君のいない『青薔薇連合会』は、何処か味気なくてね」

と、アイズ。

そう言ってもらえて光栄ですよ。

「だけど…予定より早かったね。確かカミーリア家当主の誕生日は、来週じゃなかったかな?」

さすがアイズ。よく覚えていらっしゃる。

「そうなんですけど、予定が早まりましてね。ちょっと強引な手段を取らせてもらいました」

「そう…。目的を達成したんだね」

それは勿論。

そうでなきゃ帰ってきませんよ。

「えぇ。ばっちり宝物庫に忍び込んできました」

「凄い…!さすがルレイア…!」

シュノさん、両手を合わせて感激。

「とうとうやりやがったな、ルレ公め…。大怪盗ルレ公だな!」

ありがとうございます、アリューシャ。

でも、俺は怪盗はやりませんよ。

正攻法で忍び込みますから。

「それで、結局『ローズ・ブルーダイヤ』はどうなったんですか?」

と、ルーチェスが尋ねた。

あぁ…そのことですけど。

「さっきルルシーにはもう話したんです。皆さんにも改めてお話しますね」

「うん、お願い」

俺は、自分で調べた『ローズ・ブルーダイヤ』に関する全てを、仲間達に話して聞かせた。
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